あらすじ・内容紹介

1973年

結納のため札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた...。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う長編小説。

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編集部メモ — 湊かなえ・椎名林檎・阿部暁子、『塩狩峠』への三者三様の反応。推薦者は3人。作家の阿部暁子は「人間の罪や許しというテーマに触れて衝撃を受けました」と語り、椎名林檎は「毒と純粋さが同居する物語」と一言で切り取る。湊かなえは、舞台のあたりを通る時に自転車を畳んで電車に乗るという愛読者の話を引き、「本当に好きな人は好きなんだな」とこの作品の求心力を語る。罪・犠牲・純粋さという重い主題が、分野の違う3人の琴線に同じ深さで触れていると読める。軽い読書では届かない場所まで降りたい人へ。