あらすじ・内容紹介

1972年

昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。虱だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。その缶を駅員が暗がりに投げると、栄養失調で死んだ四歳の妹、節子の白い骨がころげ、蛍があわただしくとびかった―浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で印象深く描いた『火垂るの墓』、そして『アメリカひじき』の直木賞受賞の二作をはじめ、著者の作家的原点を示す6編。

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編集部メモ — 鈴木敏夫を引き込んだ『火垂るの墓』の饒舌な文体。推薦者は映画プロデューサーの鈴木敏夫と、お笑い芸人で作家の又吉直樹の2人。鈴木は「句点の少ない、饒舌な文体に引き込まれ」ファンになったと評し、又吉も自身の読書遍歴のなかで本作を挙げている。浮浪児兄妹の餓死までを独自の文体で描いた『火垂るの墓』を含む本書が、物語の重さだけでなく文章そのものの力で読み手を掴んでいることが鈴木の言葉から透けて見える。文体で小説を味わいたい人、著者の作家的原点に触れたい人に効く一冊。